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2010年05月17日

GM講座2ndシーズン 第7回『シナリオ発想法ほか』

第7回の担当を拝命した秋芳です。
我流のシナリオ作成法などについて、ツラツラとお話させていただきました。

【発想】
 まずは、シナリオの核となる部分を、どうやって思いつくのか?です。
 発想の起点は色々あると思いますが、内と外に大別できると思います。
「内」というのは、このモンスターを出したい、この呪文をかけてやりたい、あの街を舞台にしたい、このキャラを出したい……などなど、「システムの内側」を意味します。ルールブックやサプリメントを眺めて気に入ったものを使用したシナリオを作る方法になります。
 対して「外」というのは、アニメやコミックや映画などのシーンやタイトル、キャラクターの容姿やセリフ、曲名や歌詞の一部、風景、ストーリー展開など、「システムの外側」にあって、イメージを喚起するすべての物事です。
 例えば、書店のライトノベルのコーナーに行き、目に付いた本のあらすじからシナリオを作る、タイトルから物語を想像しシナリオにするなど、あらすじや単語の組み合わせでシナリオを作ることも出来ます。

【熟考】
 次は、手に入れた起点から物語へと「ふくらませる」作業です。
発想の起点から、それによってどのようなことが起きるのか、あるいは、どうなったらその起点に到達するのか、なぜ?どうして?を繰り返すことで物語をふくらませ、物語のリアリティを高め、シナリオの穴を潰すことができます。
 悪い魔法使いにさらわれた王女を救出する・・・・・・古臭い内容ですが、なぜ王女をさらったのか?なぜ「悪い」魔法使いといわれているのか?といったような点を突き詰めていくと、魔神召喚のために王女を生贄にしようとしているとか、濡れ衣を着せられた魔法使いが相思相愛の王女と駆け落ちしたのだとか、様々なパターンのストーリーに発展させることができます。
 単に「考える」ではなく、あえて「熟考」としたのは、私がこの部分がシナリオ作成の最も重要な部分だと思っているからです。モンスターデータやボスキャラのデータ作成に時間を費やすよりも、シナリオの内容を深く良く考えることが大事だと思います。

【適応】
 シナリオの「物語」が定まったら、次は「物語」を「ゲーム」にする作業です。
 システムにあわせて、モンスターデータを準備したり、想定するPCのレベルに合わせて調整を行います。ルールや世界観と矛盾しないか、そのシステムに相応しい内容かどうかを考え、モンスターや判定の難易度などのデータを作成します。
 私個人は、そのシステムの世界観、ワールド設定に即しているか、逸脱していないかを重く考えるきらいがあります。オリジナルのアイテムやモンスターを出す場合も、その世界にありそう、デザイナーが出してもおかしくない、そういうモノを目指したいという想いがあります。
 極端な話、このシナリオはこのシステムには向かない、と判断してGMする予定のシステムを変更したりすることもあります。

【試験】
 最後にシナリオのチェックを行います。
 戦闘バランスなどデータ面のチェックも含みますが、一番重要なのは「物語の展開に無理がないか」をチェックすることです。シーン間の繋ぎは不自然でないか、PCが特定の行動をとらないと話が進まないということがないか、一度情報収集に失敗しただけで手詰まりになったりしないか……など、PL/PCの視点からシナリオの展開をチェックします。
 齟齬や矛盾がないか、ストーリー展開に無理はないか、GMの独り善がりでないか……などの点はシナリオの崩壊、セッションの失敗につながるので、意識してチェックしています。
 また、○○を倒して来い→倒しました→エンディングというようなヒネリのない「出オチシナリオ」になっていないか、設定に矛盾はないか、NPCの感情はPLに共感できるか、短絡的でないか、といった点もチェックしたりします。
 チェックのポイントは、「PLが楽しいか?」「セッションが回せるか?」「不測の事態に対応できるか?」という感じになります。

【掲示板でお尋ねいただいた点について】
Q.不確定な面子をどう予測するか、またどういう風にシナリオの流れに誘導していくか
A.不確定な面子という点では、最近はハンドアウトというものが周知され市民権を得ているので、これを使ってPC設定やクラス・スキル・特技などを制限することがあります。ハンドアウト以前もGMの“ぶっちゃけ”として希望要望をPLに伝えていたので、基本的にやっていることは変わらないのですが。
誘導については、最近はシーン制の応用とかで「君たちは情報収集のため○○を訪れた」とシーンを始めてしまっても問題がないのですが、一昔前はPC達をどうやって○○に誘導するのか、という点に頭を悩ませたものです。
個人的には、複数の誘導やとっかかり、PC用の釣り針を用意しておいて“ひっかける”という方式をとっています。また、シナリオ展開を記したフローチャートを作成してあり、PCの反応にあわせてチャートを繋いだり戻したりして必要な情報が揃うように苦心します。アドリブが多いという点は否めませんが、破綻しないための対策として上記のような手法を用いています。

Q.シナリオ作成で作っても、不必要になりがちなデータ
A.NPCの家族構成や職業、名前などシナリオに関係しない部分は作っておいても使用しない場合があります。というより、シナリオに使用しないから作成していない、ということになります。
NPCの家族構成が問題になるのは、家族構成に絡めたシナリオを展開する場合に限られ、それ以外の場合はPLに「この子の家族は?」と聞かれても適当に答えておけば問題はありません。ただし、適当に答えた内容を忘れないようメモしておく必要はあります。そうしないと後々齟齬をきたす場合が多々ありますので。
私個人はシナリオに関与する部分は作っておく、そうでない部分はアドリブでというスタンスですが、アドリブに走らず、正直に「特に考えてない、今回のシナリオには無関係だよ」とGMが言ってしまっても構わないと思います。

Q.いちど他の方が書かれたシナリオの実物をみてみたい
A.当日は、以前GMをしたメガテンXのシナリオを持参していました。次回以降も持って行こうと思いますので、興味のある方はお声をかけてください。(持って行き忘れたらすみません……)


以上、当日お話したことに若干手を加えてまとめてみました。
最後に、当日お話できなかった点をひとつ。

GMの役割は、セッションを成功に導くことだと思います。そして、セッションの成功はシナリオの成功と同意ではないと思います。
シナリオが崩壊しかけても、ルール裁定に間違いがあっても、シナリオの穴が発覚しても、あるいはPCが全滅したときでさえ、参加者が楽しかったという感想でセッションを終えることが出来たなら、そのセッションは成功したといえるのではないでしょうか。

偉そうなことを長々と書きましたが、私もまだまだ至らない点ばかりですがGMとして楽しいセッションを目指して頑張りますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
posted by 秋芳 at 21:34 | 鹿児島 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | GM講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
秋芳さん、記事投降ありがとうございます。
講師、おつかれさまでした。
なかなか講義の雰囲気も良い感じですし、他のメンバーさんの講義も期待ですね。


>正直に「特に考えてない、今回のシナリオには無関係だよ」とGMが言ってしまっても構わない

慣れないうちは、無理して全てのプレイングを拾うと、収拾つかなくなったりしますもんね。
でも、あんまり直球だと、PLの自主性を萎縮させちゃうかもです。
「わはは。ここ、そんなに掘り下げるとこ?(笑)」
みたいな言い方で、やんわり関係ないことを臭わせる方が、スマートかもですよ。
Posted by kog at 2010年05月17日 22:04
おー講座聴きたかったです。
自作シナリオみてみたいと質問させていただいていたのですが、メガテンシナリオ持ってきてくださったようなのに結局参加できず、すみませんでした。

「セッションの成功はシナリオの成功と同意ではない」は、深い言葉ですね。
最近TRPGを遊ぶことをセッションすると呼ぶ意味をいろいろ考えていたので、とてもい言葉貰った気がしました。
Posted by たぐっちゃん at 2010年05月18日 13:47
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